
81回目の広島・長崎の原爆の日、そして終戦記念日を覚えて、世界中で広がる軍備化や核抑止力強化の動きに危機感を覚えます。現在、世界に核ミサイル12,340発、すぐ使える数は3888発、その半数は潜水艦とともに深い海の中に配備されています(長崎大学核兵器廃絶研究センター調べ)。その現実は核保有国同士に相互確証破壊(攻撃されたら確実に報復できるという能力)の保証を与え、その恐れによって力の均衡を保っています。それが核抑止力、力による平和の正体です。
それを知りつつ国々が自己防衛のため核抑止力を高める中、日本の被爆者とアメリカの核実験で被爆した方や真珠湾攻撃で被害を受けた市民との交流が行われ、触れ合いと対話による和解と平和の物語が始まっています。同研究センターの山口響研究員は「被爆者が核兵器廃絶を訴えると、『理想を言っているだけ。頭の中はお花畑で現実を見ていない。』と言う。しかし、被爆者が見て、その後の人生で体験したことは全部現実なのです。被爆者や被爆地は現実主義で、核抑止力を訴える人たちこそ理想主義であり、それは仮定で考える理念の世界で出来上がっている。」と語ります。
預言者イザヤは、戦いに明け暮れ、最後は大国に支配され絶望の中にあるイスラエルの民に対し「主は国々の争いを裁き、多くの民を戒められる。彼らは剣を打ち直して鋤とし槍を打ち直して鎌とする。国は国に向かって剣を上げず、もはや戦うことを学ばない。」と、神の介入による争いの終結、救い主の到来による平和の実現を預言します。そして、福音書が証しする救い主イエスは「平和を実現する人々は、幸いである。その人たちは神の子と呼ばれる」と、非暴力による平和を求める人々を祝福します。私たちは、核抑止力という恐怖の支配による平和ではなく、キリストの平和を信じ神の愛と恵みによる相互理解、対話によって平和をつくる機運を高めてまいりたいと切に願うのです。(小田)





