歳時祈 2026年02月15日 主日

悟ること

バンを作る時に使われるのが、パン生地に混ぜる酵母菌です。まれに、ソーダブレッドを作る時には重曹といった膨張剤を使います。酵母菌は一種のばい菌なのですが、あまりに一般的に使われているので清潔な印象を受けます。納豆も考えてみれば、最初に食べた人は勇気が必要だったと思います。何しろ、豆が発酵して糸を引いているのですから。このように一見害になるようなものが、人の役に立つものになるというのは不思議なものです。そこにもきっと神様の配慮やご計画があるのだと私は思います。

イエスさま一行は再び向こう岸へ渡りました。ところが舟の中で弟子たちはパンを持って来るのを忘れていることに気が付きました。そのことを弟子の一人がイエスさまの前で口に出したのでしょう。するとイエスさまは「ファリサイ派の人々のパン種とヘロデのバン種に気をつけなさい」と戒められました。イエスさまに怒られたと思った弟子たちは、 「これは自分たちがバンを持っていないからだ」と論じあったとあります。

出エジプトを経験し、あわただしい出立準備の中「種入れぬパン」を食べた出来事は、 イスラエルの民にとって「選ばれた聖なる者」との自覚を呼び起こすものでした。当時のパン生地の膨張剤はイースト菌のような酵母菌ではなく食物を腐らせる雑菌を利用したものでした。そのためか、罪人や社会的弱者はパン種のような存在として認識されていたのです。しかし、イエスさまはそのような図式を覆し、「神の国を何にたとえようか。パン種に似ている。女がこれを取って一サトン(約30kg)の粉に混ぜると、やがて全体が膨れる」 (ルカ 13:20)と、たとえで表現されました。そして今、イエスさまはイエスさまご自身とその業とを天からのしるしと認めないファリサイ派の人々やヘロデを「悪いパン種」に例えます。イエスさまはむしろ社会でばい菌のように扱われていた小さな者たちこそ世の中というパン生地を膨らませ、天国を象徴する沢山の美味しいパンを作り上げるのだと言われたのです。「まだ悟らないのか」とイエスさまは今を生きる私たちに問われます。(小田)

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